今日も世界は回ってる

「せっかちだなお前は。話を最後まで聞け」

老医師は立ち上がる。

「殺し屋なんだって?」

「……ああ」

頷く亮二。

得物も失い、戦える体も失い、今は只の怪我人でしかないが。

「じゃあ『殺し屋』に戻れ。全盛期の人殺しに戻れるよう、死ぬ気でリハビリして超一流の暗殺者として復活しろ。それが治療費だ」

老医師は亮二の顔を見た。

「死にかけの暗殺者が、俺の治療で再び復活、そしてデカイ殺しをやり遂げる…そうすりゃ俺の名声も上がるってもんだ」