「当然よぉ」

老医師は再び一升瓶をラッパ飲みする。

「鬼首會の若頭は、お前らを『元通り』の仕上がりで治せって依頼してきたからな。この俺に『元通り』って言ったからにゃあ、掠り傷1つも残しやしねぇ」

仕置きでドスで耳を切り取られ、激痛を味わわされた後、仕置きが終わると、この老医師の手で耳を縫合痕すら残さず元通りに繋いでもらったという組員もいるくらいだ。

まさにゴッドハンド。

この老医師の手にかかって、治せない怪我はなかった。