「……」

ベッドの上、包帯だらけの雪村 亮二(ゆきむら りょうじ)は目を覚ます。

酷い怪我だった。

無理もない。

警視庁本庁舎爆破の混乱に乗じての脱走。

いや、正確には『奪還』という方が正しい。

無理矢理に連れ去られるようにして、亮二は警視庁本庁舎を連れ出され、そのまま気を失った。

爆破の被害は亮二自身にも及び、爆発の破片や火傷による負傷は免れなかった。

彼を奪還した組織…三代目鬼首會は、亮二を生きて奪還できるならば、少々の怪我は御構い無しだったのだ。