今日も世界は回ってる

「言葉を返すようだが」

足元に男達を転がし、龍宇はセルゲイを睨んだ。

「俺の流儀は活人拳を源流とした格闘術だ。殺人拳ではない」

「お前が何と言おうと匂ってくるよ…血の匂いがな」

そう言って。

「!?」

セルゲイは龍宇の腹に向かい肩からタックルを決めつつ、レスリングのタックルのように足を引く!

スピアーと呼ばれる複合技だ。

硬い路面に背中からテイクダウンされる龍宇。

その衝撃に、一瞬息が詰まる。

「そらどうした。本気を出せ、殺人拳の本気をな」

セルゲイは龍宇を引き摺り起こし、決して軽くない彼の体を軽々と持ち上げる。

「でないと、死ぬぞ…?」