今日も世界は回ってる

必死に島の桟橋を走る2人。

その背後からは、大勢の男達が走ってくる。

背中や胸どころか、顔にまで毒々しいタトゥーを入れたスキンヘッドの男達。

手には大振りのサバイバルナイフやマチェットを握り締めている。

この島を牛耳っていたMS-13のメンバー達。

彼らが侵入者を気持ちよく送り出してくれるとは思わないし、もしそうなら追いかけて来ないだろう。

捕まったらどうなるのか。

「さぞや歓迎してくれるだろうよ、元女優だからな!」

「野蛮人同士仲良くなれるんじゃないっ?アームレスリングでもしたらっ?」

「負けた時の罰ゲームが怖そうだ!」

「そうかもね!」

軽口を叩きながらも、全速力。

バニングとハルは、桟橋を必死で走る。