「グギィィイィィィィイィィイイィイィイィッ!」

二目と見れぬ顔に破壊されながらも、ベナルは立ち上がる。

その見るも無惨に破壊された顔面は、持ち前の再生能力で修復されつつある。

「ほざきおったなジャークぅぅぅぅうぅぅっ!汚らしい地面を踏みつけたブーツで俺の顔面を足蹴にしてっ!ほざきおったなジャークぅぅぅぅうぅぅっ!」

「…激昂するんじゃあない、虫けらが」

癇に障る笑みを浮かべて嘲る邪悪。

可笑しい。

そう、実に可笑しい。

繰り返すこの世界で、幾度となく原初に還らされて敗北を喫し続けたベナルは、その事も知らずにまだ性懲りもなく邪悪に立ち向かってくるのだ。

また最終的に原初に還り、無力な赤子同然となって敗北するにもかかわらず。