戦いが終わる頃、博士の姿はなかった。

打ち捨てられた改造人間達を囮にして、この場を逃げたらしい。

「……」

拳に塗れた、人工血液の返り血。

その拳を、ギュッと握り締める。

何度、何度繰り返せば終わるのか。

こんな惨たらしい悲劇を、何度繰り返せば気が済むのか。

無表情の異形の横顔。

その顔が、慟哭する。