立入禁止区域を進む本城達。

この森の水にも砒素が含まれていた。

これは生物の許容量の300倍にもなり、付近で仕留められたイノシシの肝臓からは異常な量の鉛が見つかったという。

フランス政府は特殊機関を設立して、残留弾薬の完全な除去を進めている。

長い時間をかけて、ゾーンルージュ区域を減らし、安全な土地を住民に戻して、農業利用を可能にしようとしてきた。

が、機関はその特殊機関を装ってゾーンルージュ深部に潜入。

人の立ち入らないこの区域に、改造人間工廠を建設したのだ。

まさか砒素に汚染された土地に、プラントが存在するとは思わないだろう。

区域の奥へ、奥へと進んでいく本城達。

汚染された木々を掻き分け掻き分け、立ち入った先には…。

「な…に…」

信じ難い光景があった。

死体の山。

しかも只の死体ではない。

千切れた腕や足の傷口からは、金属の骨や配線、赤黒い血液のようなオイルが露出している。

ここは、失敗作となった改造人間達の墓場。