そんな後ろ姿を見ながら。

(ごめんなさい、探偵さん…)

雛罌粟は心の中で詫びる。

彼女の両親は、今も隣県で健在だ。

仲睦まじく暮らしている。

雛罌粟は都内の高校を受験して合格し、1人暮らしをしているだけに過ぎない。

まぁ都会に出てきて悪い遊びを覚えたせいで、こんな風になってしまったが。

作り話をしたのも、耕介の事務所に入り浸る為の口実だ。

まさに小悪魔、まさに今時JK。

こっそり舌を出す雛罌粟は、不良探偵の上を行く。