今日も世界は回ってる

雛罌粟は緩々と首を横に振った。

「いいんです…母が出て行き、私が出て行き…孤独にさせる事で、父への復讐は終わっています…後は一生1人で生きていってもらう事が、私の最大の叛逆ですから…」

「……」

彼女がそう言うのならば、耕介としては異論はない。

無理に被害届を出させようとは思わないし、かといって家に帰らせようとも思わない。

但し。

「バイトくらいはして、事務所に食費くらい出せ。ウチが儲かってねぇのは知ってるだろが。食い扶持増えて、楽じゃねぇんだ」

「はい」

雛罌粟もこれには異論ないらしく、あっさり頷く。

「あ!バイトっつってもいかがわしくねぇ奴だぞ!お前が妙な事やって金稼ぐと、俺が売春の元締めみたいに言われちまうからな!」

「何だ…駄目なんですか…」

何故そこでガッカリする、雛罌粟。