今日も世界は回ってる

「元々暴力的な父親で…母にも、幼かった私にも、よく手を上げていました…子供の頃は、主に母にだけでしたけど…私が成長すると、私を『女』として見始めたのか…」

性的虐待か。

ギリッと、耕介が奥歯を噛み締める。

肉親による性的虐待。

決して珍しい話ではない。

表沙汰にならないだけで、そういった虐待は年々増えているのだ。

「…虐待や暴力に耐えかねた母は、私を置いて家を出て…父の矛先は、1人だけの家族である私に向けられました…」

俯き加減のまま、雛罌粟は語る。