今日も世界は回ってる

しかし。

「……」

巽は薄く笑った。

「何が可笑しいの?笑ってる場合じゃないわよ?オマワリのお姉さんは、怒ると怖いわよぉ?」

妖艶に笑う紗智に、巽はもう一度笑い返してやった。

「同業に帳面見せびらかすんじゃねぇよ」

「……え?」

巽は男の腕を捻り上げたまま、革ジャンのポケットから自分の警察手帳を取り出す。

「警視庁捜査一課の巽だ。巡回ご苦労だな、宝塚刑事」

「あ…貴方も刑事…?…そんなチンピラみたいなナリして…?」