「そんな格好でフラフラしてると、性質の悪い虫につかれても知らないぞ」

サングラスの下で呆れた顔をする巽。

「蓮杖はどうした、アイツは一緒じゃないのか」

「…一緒だったんですけど…環さんのグラビア撮影現場を探しに行きました」

「ああいう情報は早いな、アイツ」

またも呆れる巽。

「1人なら、猶の事用心した方がいい…こういう場所は、女性は特に気を付けないと」

倉本が雛罌粟に警告する。

彼らが場違いな姿のままでこんな場所にいるという事は、何か事件があったという事か。

雛罌粟は一般人、捜査の守秘義務という事で、教えてはもらえなかったが。

「とにかく、早目に蓮杖と合流する事だ。チャランポランな奴だが、ボディガードとしては役に立つ」

雛罌粟に言い残し、2人は砂浜を歩いて行った。