「おっと」

その肘は、背後の革ジャン姿の男に受け止められた。

「相変わらず見かけによらず気が強いな」

「…巽さん」

雛罌粟は目を丸くした。

立っていたのは、海水浴場には不似合いな黒の革ジャン姿の巽、そして紺のスリーピーススーツ姿の倉本 圭介。

共に警視庁捜査一課の刑事だ。

「何て水着を着てるんだ、雛罌粟さん…」

男どもを挑発するような過激なマイクロビキニ姿の雛罌粟に、倉本が少し困惑気味。

「刺激が強すぎましたか…?」

雛罌粟が、生真面目な倉本をからかうが。

「おい、倉本さんに失礼だろ」

巽が雛罌粟の頭をコツンとやった。