近くの海岸で向井 環のグラビア撮影をやっているらしい。

探偵をやっていると、そんなどうでもいい情報まで舞い込んでくる事もある。

蓮杖 耕介が、珍しく窓際に置かれたキャスター付きの椅子から身を乗り出した。

「仕事でもそんなにやる気出さないのに…」

夏目 雛罌粟が、ジト目で耕介を見る。

「バッカおめぇ、環のグラビア撮影だぞ?あのエロい体を生で拝めるんだぞ?見逃す手はねぇだろうが」

欲望の眼差しをギラギラさせるエロ探偵。

「…巽さんに言いつけてやるんだから…」

環の彼氏である巽 英二の名を持ち出して牽制するものの、その程度で引き下がる不良探偵ではない。

この盛りのついた男を制御するには、雛罌粟本人も同行する以外に手段はなかった。