「お…おぉ…」

三沢が思わず声を上げる。

格闘特区を旅立っていったあの日より、龍宇は更に強くなっていた。

ひとつひとつの技を更なる高みへと昇華させ、磨きをかけて、文字通りの必殺技へと変えている。

この男の空隙は、決して無駄ではなかった事の証。

それでこそ、この格闘特区で覇者となった男。

…格闘特区を炎に包んだ元凶を倒し、龍宇は振り向く。

「遅くなってすまない。ただ…」

言いかけた龍宇よりも早く。