しかし。

「……」

緩々と。

コートニーは首を横に振った。

「私の名前はコートニー…父親はゴースト、兄はガイスト…それが全てなの…そんな長い名前、自分でも思い出せないし覚えられないの…」

抑揚なく言う彼女の顔には、微かな笑みさえ浮かんでいた。

「戦場は私から色んなものを奪って…色んなものを与えてくれたの…家族も…生き方も…大切な人も…何も変わらないし、これからも何も変えないの…」