あの第一次チェチェン紛争の混乱の中、コートニーが何者なのかを知る手段などなく、奇跡的に生き残った彼女を救い出す事が精一杯で。

ゴーストは戦争孤児として、コートニーを助け、育てた。

一国の令嬢だとは夢にも思わず。

本来ならコートニーは、血腥い戦場とは無縁の平和な場所で、暖かな家庭で成長する筈だったのだ。

それが…。

「こんな殺しを教える事しか知らない、いつ野垂れ死ぬかも分からない傭兵に拾われ、テーブルマナーの代わりに人殺しの技術を教え込まれ、バイオリンの代わりにスナイパーライフルを持たされたって訳だ」

自嘲なのか、謝罪なのか。

ゴーストは淡々と語る。