今日も世界は回ってる

「お前のコートニーという名は、俺が付けた名前に過ぎない。お前の本当の名前は、セリム・アブドゥルハミドヴィッチ・カドリコフ。そして父親の名前は、アフマド・アブドゥルハミドヴィッチ・カドリコフ」

「……!」

コートニーが目を見張る前で。

「お前の本当の父親は、当時のチェチェン共和国首相だ。第一次チェチェン紛争で死亡した」

つまりコートニーは、首相の令嬢だったのだ。

どういう手を使ったのか、侵入者達はゴーストも知らなかったコートニーの素性を知り、莫大な金をせしめる為に誘拐を企てたのだ。