好きな人の好きな人。【完】




仕事は午前で午後からは自由なので、

それまでに解決策を捻り出そうと裏方で必死に働いていると。



「海音さん、なんか、呼んでる人いるよ?」



―ドキン、と胸が高鳴った。

帰り道にした、先輩との小さな口約束。


“見に行ってやるからさ。”


その言葉が頭の中を駆け巡り、フリーズして

一歩踏み出すたびに緊張で胸がいっぱいになる。


そうして辿り着いた先。

ちらりと見えた影を呼び寄せようと声をかけようとした、が。



「せんぱ_」



はっと、見慣れない後ろ姿だということに気が付き、

言葉を呑んで、私はしかめた顔をするしかなかった。