遥香の焦り声がひたすら耳に入ってくる。 いいな、幸せそうで。 そんな風に思っていることを隠しながら、 「全然大丈夫。楽しんできて!」 できるだけ笑顔で、明るく振る舞った。 そして他の子に声をかけるも、 ほとんどの子に彼氏とまわると断られた。 違うクラスの子とまわる子にはついて行きにくいし、 「ボッチかな。」 なんて悲しい声も人混みにかき消された。