好きな人の好きな人。【完】




『いよいよ文化祭が始まりましたー!!』


誰があんな噂を作ったんだろう。

叶わぬ恋は、叶わないからこそそう呼ぶのに。


そう分かって入るものの、告白しようか迷っている自分がいた。



もし、両想いになれたら、なんて

期待してしまっている自分が本当にバカバカしい。


あの日の帰り道から何日も経った。

でも先輩とはほとんど関わりがなくて。


やっぱりあれはからかわれただけなんだって、

落ち込む自分に嫌気がさした。


そんなふうにしてると、遥香が綺麗な顔を歪ましてこっちにやってくる。


「空、ごめん!

一緒にまわろって言ってたんだけど、彼氏がどうしてもってきかなくて…


別の子とまわってもらっても、いい?」


その言葉に、ああ、と悟ることしかできなかった。