それから数秒待つ。 少しでも先輩を長く感じていたくて、 こそっと扉を開けた。 「え…?」 私の視界に写ったのは、 元きた道を戻る先輩。 「ここ、先輩の家付近じゃな、い…?」 誰にでも優しくて面白くてかっこよくて。 「先輩が悪いんです。 そんな優しさ、期待しちゃうじゃないですか。」