トン、という音と共に 耳元で囁かれた“ばーか”という声。 幻ではないのかというくらいの非現実。 そしておでこにチュッ、というリップ音が耳に響いて。 時々ぶつかる足に思わずぴくりと反応してしまう。 「ドキドキ、した?」 そういってスッと離れると何事も無かったかのように 「ほら、ついたぞ?行こ。」 なんて呼ばれた。 意識が朦朧とした中で 先輩の後ろ姿に抱き締めたくなったのを覚えてる。