｢あ、あの、これ、その、お、オーダー違うです……｣

ビクビクした感じで俺に指摘をする女子高生。

｢あ、ごめんね。ありがとう、変更伝票打つわ｣

そんなに怖いか……。

慣れてるけれど……慣れてるけれど……

俺がこの店で働き始めてもう半年経つ。

この女子高生、菅谷ちゃんは俺より少し前に入っていたから俺とは半年くらい接しているはずなんだけどな……

この子と全然話したことないから半年接してるって言うのもおかしいのかもしれないけど。

菅谷ちゃんはどうもコミュ障っぽいが接客は完璧に別人のようにこなしている。

｢いらっしゃいませ～！お客様2名様ですか？こちらのお席へどうぞ～！｣

声も張るし、可愛い笑顔だ。

……俺と話す時と違って。

俺以外の男性アルバイトにも同じ対応だから俺が悪いってことじゃないんだろうな。

きっと菅谷ちゃんは男性が苦手なのだろう。

｢菅谷～、これ運んで～！｣

｢はいっ！！｣

俺と同じ年の女子大生には明るい返事……。

気にしない気にしない。