里美ちゃんに言われた事が気になっていると、





「おい、どうした?」






クラスに戻ってきた拓磨が、私の目を見てきて言ってきた。





「なんかすごく悩んでないか?俺に相談出来ることだったら言ってみろよ。」






お言葉に甘えて、拓磨の顔が赤くなった後の里美ちゃんが言ったことを拓磨に伝え、どういう意味だろうと聞いた。





「・・・っ、それはな」






やたら拓磨は私から目をそらし始めた。






「?」






答えてくれない。







「何で答えてくれないの?」






質問すると、拓磨はいや、そのとモゴモゴと言葉を濁した。







「あ、拓磨でも分からない質問だったんだね。ごめんね、聞いちゃって。」







私の言葉に拓磨は慌てた。






「べっ、別に謝らなくていいよ。お前は悪くないんだしさ!」






(・・・?拓磨らしくないなぁ。こんなにも慌てるなんて)







「拓磨の方こそ悩んでいることないの?」






拓磨が何で?と聞いてきた。





「だって、拓磨らしくないんだもん。そんなに慌てちゃって。」






そそそっか?とかなり噛みながら拓磨は言った。






そして、話すか話さないか迷う顔をしていたが、覚悟を決めた顔をして私に、誰にも話すなよと前置きをおいて小さい声で話し始めた。






「実は、俺好きな子がいるんだけどさ」





(!!!?)






「えーーーーーーーー‼」






私の声がクラス中に響く。





クラスにいる人達が一斉にこっちを見た。






「シー!黙って聞いてろよ!」






慌てて人差し指を立て、静かにというポーズをとりながら拓磨が言った。






口を両手で押さえて私はコクコク頷いた。





ようやく、クラスの人がこっちを見なくなり、拓磨が口を開き始めた。







「で、その子は俺の気持ちに全く気がついていない。」







「その事で悩んでるんだね!」






ああ。と拓磨は頷いた。






(キャー!本物の恋だぁ)







それと、と拓磨は頷いた。







「その子は他の人に片想い中」






「マジ?ちなみにその子って、どんな人?






すると拓磨は、私の方をちらと見て、すぐに目をそらした。





「かっ、可愛い。」






その子について考えると照れてしまうようで





(あ、顔が赤くなってる。)






「他には?」






「がっ、頑張り屋で、好きな人には一途で、ちょっと鈍感。」






「へぇー!なんか可愛いらしい子だね!」






(どんな女子だろう?拓磨が可愛いって言っているんだから、きっとすんごく可愛いんだろうなぁ・・・)






「大丈夫だよ!拓磨は優しいし、絶対振り向いてくれるって!」





私、応援するからね!そう言うと拓磨は、ありがとうと笑って言った。





「何か落ち着いたわー。今度お礼させてよ。」




そう言って拓磨は、またクラスから出ていった。