「あー、テスト終わった~。」




なんとか授業に間に合ってテストを受けることが出来たけど、





「多分。赤点だー。」





あたしも、と里美ちゃんもため息を吐いた。




「どうしよう。宿題も結構わかんない。」





どうしようかと考えていると、





「良ければ俺が教えてあげようか?」





私の方を向いて、拓磨が言った。






「良いの?」






「ああ。別に用事も無いし。」





「ありがとう‼」





「・・っ」






拓磨が急にそっぽを向いた。






気のせいか頬が少し赤い。





「大丈夫?熱があるなら無理しなくていいよ。」





「だっ、大丈夫だから。」





そう言うと拓磨は、クラスから出ていった。





「顔、赤かったけど大丈夫かな?」





私が心配すると、里美ちゃんはふーんと言ってニヤニヤした。





「何で笑ってんの!?」






「いっや~別に~。あ、とこでさ」







拓磨君のことどう思ってんの?と、いきなり聞かれた。






「?どうって・・・良い人だなぁって。」







私の答えに里美ちゃんがかぁーと、呟いた。






「それだけ?」






(え?それだけって何で?)







悩んでいると、顔に出てしまったようで、里美ちゃんがマジかぁと、言った。





「えーじゃあさ、優君は?さっき凄かったじゃん?連れていかれるなんてさー。」





「えー?無口って言ってたけど、意外と喋るなって。あと睨まれると怖い。」





私の答えにえー、またそれだけ!?みたいな顔をする里美ちゃん。





(じゃあ里美ちゃんは2人のことをどんな感じに思ってるの?)






不思議に思った。





なので聞いてみると、






「えー、それとこれとは別っしょ。」





と、言われてしまった。






(別って何?)





よく分からず、首を傾げてしまった。







「ありゃまー、本当に分からないとはねー。」





鈍感だねぇー。そう言ってクスクスと笑うと






「まぁ、頑張りたまえ。」





そう言って里美ちゃんは私の肩をポンポン叩いた。