何回も階段をかけあがり、ようやく屋上に着いた。






綺麗な青空が広がり、風が気持ちいい。






「うわぁ・・」






フェンスから下を覗くと、応援団が練習をしていた。






(轟先輩、やっぱりかっこいい‼)







きびきびと動いている姿に思わず目がいってしまう。






時々、後輩に笑顔を見せるのもたまらない。






「何見てんだ?」





優が聞いてきたけど、私の目線が轟先輩にいっていることに気がついたみたいで、下をちらと見た。





「ふーん。あんな奴のどこが良いんだか。」






見下した様に言われ、私はカチンときた。





「先輩は先輩なりのかっこよさがあるの!優と違って優しいしね!」




私の言葉を聞いてハッ、と優は鼻で笑う。





「随分あいつのこと思ってんな。止めた方が身のためだと思うけど?」





そう言って優は屋上のドアを勢い良く開け、去っていった。





バタンッとドアが閉まる派手な音が響いく。




(優は轟先輩が嫌いなのかな・・・?)





何故あんなことを言ったのだろう。





考えていると、チャイムが鳴り始めた。






(やっ、ヤバっ、次テストだった!)






慌てて屋上から出ると私はクラスへ向かって走った。






その後、何が起こるか知らずに・・・。