委員会が終わって、お弁当の時間になった。




一緒に食べよーと里美ちゃんが誘ってくれたので、ありがたく一緒に食べ始めると




「あー、俺も良い?」





ついでに拓磨も入ってきた。





「男子と食べないの?」






「うーん、今日は知り合いと食べた方が良いかなって。」





その言葉に里美ちゃんは驚いた。






「知り合いなの!?」





「知り合い・・・と言うか、いとこ」





いいなぁーと言わんばかりの里美ちゃんの顔。





「あたしなんてさー、いとこさぁ、小っさい子しかいないもん。かっこ良くないしね。」




なーんて喋っていると、




「おい」





振り返ってみると、西園寺君。





「ちょっと来い。」





「えと、え?」





「良いから来いっつってんだよ」




(こここ、怖い‼)





慌ててお弁当を片付ける。





「チッ、どんくせぇ。」





ど・・どんくさい!?





これでも速い方なんですけど?





「まぁ良い、行くぞ。」





立ちあがった私の手首をむんずと掴むと、ずんずんと歩き出した。





しかも歩くスピードが速い。





「もっ、もうちょいゆっくりめで‼」





「頼みごとする時はお願いします、だろ?」





振り向かずに言う西園寺君。





何様だよ!そう思ったけど、足がキツイくて限界。





「ゆっくりめでお願いします・・っ」





急にスピードを落とされた。






だから、ゴンっと西園寺君にぶつかるはめに。




「っ、痛ェな。」





「ごめん・・だけど急にスピード落とす方も悪くない・・ですか?」






睨まれて、最後が敬語になってしまった。






うう、情けない。






(きっ、気持ちを切り替えよう)






「西園寺君、どこにいくの?」





「屋上。あとさ、」





私の方をちらと見て、





「西園寺君って呼ぶの止めてくれる?」





と言った。





「えっ、何て言えばいいの?」





聞くと、つかの間無言に。そして、






「・・・・で良い」




小さい声で言われた。





「え?ごめん聞き取れなかった。」





聞き返すと、






「優で良い」






ぶっきらぼうに言われた。





「じ、じゃあさ、優は、何で屋上に行くの?」





質問すると私の方を向いてニヤっと笑った。




「さあね。秘密。」




もうそろそろ私達は屋上に着こうとしていた。