入学式が終わり、私達新入生は、配られた紙に書いてある各自のクラスへ向かった。




ちなみに私は5組。最上階だから階段の数が半端ない・・・。




疲れてのろのろと歩いていると男子にぶつかってしまった。




「あっ、ごめんなさい・・。」




「こちらこ・・っ!」



ぶつかった男子は私を見て驚いている。



( ・◇・)?



驚いている顔をまじまじと見ると




(すっごくイケメンだ・・)




驚いている顔さえ美。轟先輩とは違う輝きを持っていた。




(でも、何でこっちを見て固まってるんだろう)




「姫・・歌だよ・な」



急にイケメン君は私の名前を言った。




「え?何で知ってるの?」




イケメン君の口が開く。




「俺だよ俺。神崎川 拓磨。」




かんざきがわ たくま?。



(って、神崎川拓磨!?)



「いとこの!?」



拓磨が頷く。



拓磨は私のお母さんの姉の子で、小さい頃一緒に遊んだ覚えがある。



私のことをいつも「姫」と呼んでいた。



だけど、拓磨のお父さんの仕事の都合上遠くに引っ越しちゃって。




もう会えないかと思ってた。




「何年ぶり?よく私の顔覚えてたね。」




「もちろん忘れるわけないだろ。だって姫のこと」




ハッとした顔をすると何でもないと言った。




そして、



「そんな事より早くクラスに行こうぜ。話はまた出来るからな。」




そんな事を言って拓磨は歩き始めた。



「あ、あとさ」




私の方を振り向いて、



「姫の隣、俺だから。」



これからよろしく、そう言って拓磨は笑った。




昔と変わらない、人懐っこい笑顔だった。