放課後、私は美術部を見学しに行こうと廊下を歩いていると、





(轟先輩‼)






向こう側から轟先輩が歩いてきた。







(ラッキー‼一瞬だけど近くで見れる‼)






一瞬だけだというのが悲しいけど、なかなか会えないからと私は轟先輩を見た。






すると轟先輩とバッチリ目が合ってしまった。





(ヤバッ)






慌てて目をそらした。






(ずっと見ていた事がばれたかも)






恥ずかしくなって、いそいそと通り過ぎようとしていると、






「卯花さんだよね?」






なんと轟先輩が私に近づいてきた。






「覚えてる?僕の事」






(覚えてるも何も・・って先輩が私の事を覚えててくれたなんて・・・っ!)






嬉しすぎてコクコクと頷く事しか出来ない。







(先輩かっこよすぎ・・・)






笑顔で先輩は本当?嬉しいな、と言った。







「卯花さんがこの学校に入学してくれて嬉しいよ。」






また会えるなんて思ってもいなかったから、そう言った後、





「今度、どこかで会わない?」






ニコッと笑って言われた。





「え?えと、え?」





コンドドコカデアワナイ?






頭の中でその言葉がこだまする。






「駄目かな?」







「いっいえ、全っ然大丈夫ですっ!」






そして私は、轟先輩と日曜日に会う約束をしたのだった。