君へ花を届けよう





「で、話をまとめると君の親友がトラックに引かれそうになったところを庇って事故にあったと....」




…結構質問されたけど殆ど関係ないことだった....。




「俺だって...死にたくて死んだわけじゃ...」



「小言はいいから。
あ、そーだ。君の名前は?」




「…………俺は奥村 海斗....」



「…おっけぃ、カイトね!」





彼女は俺の名前を聞くとポケットから小さなスマートフォンの様なものを手に取り、何かを打ち始めた。




「………君の名前は?」



「ん?私に名前はないよ。

呼びやすいようにかってにつけてどーぞっ」




…勝手に決めろって...。
この人いろいろと軽いな...。





「………ヒカリ。」





俺がそう呟やくと一瞬だけ彼女の動きが止まった。




「…俺が死ぬ前に見た夜空...

三日月で月光が淡くて...星が綺麗に輝いてたから。
だから...ヒカリ。」




「…そっ、まぁなんでもいーわ」




ヒカリはそう言うとまた手を動かし始めた。