肩下まで伸ばした茶色掛かった髪を丁寧に巻き上げ、デザイン重視の制服を適度に着崩し、明るい笑みを向けてくる少女ーー高峰涼香(たかみねりょうか)ちゃん。


涼香ちゃんは手を大きく振りながら、こちらに近付いてくる。


「おはよう、涼香ちゃん。今日は早いね?」


そう私が言うと、涼香ちゃんは照れたようにはにかむと、指を絡ませながら目を細める。


「うん。尚と、会ってたから……」


と、恥ずかしそうに言う。