春に咲く柚

「はい、いらっしゃいま、せ……?」


「アリス、似合ってるよ、綺咲♪」


「ゆっ、柚先輩!?」


声を掛けてきたのは柚先輩。


私が驚いた理由は柚先輩の服装故にだ。


柚先輩の服装は黒地に薄い縦線の入った、浴衣。


緩くはだけた襟元から厚い胸板がかいま見えて、目のやり場に困る。


赤く火照った表情を見られないように、私は俯きながら柚先輩と向き合っていた。