春に咲く柚

「うん……」


そう答えて、尚人はもう一つ大きな溜め息を漏らした。



 ✳ ✳ ✳



俺の走順は尚人の五つ前。


だから必然と、俺が先に出る。


「よーい、パンッ!」


という合図と共に、走り出す。


十メートル程走った所に、いくつかの便箋が落ちている。