春に咲く柚

とその時、


「柚先輩、恋先輩」


声がした。


鈴の音のように凛と通った、可愛らしい女子の声。


綺咲だった。


彼女は一メートル程離れた位置に立って、俺達を見上げている。


いつもとは違う、少し大きめに見えるジャージ姿で。