このとき初めて、「ここでバイトできて良かった」って心底思えたんだ。
店長も梨花子も。
そして、他のパートの人たちも。
みんな優しくて。
みんなあたしを心配してくれる。
あたしって本当に恵まれてる。
「ありがとうございます、水野店長」
あたしは、作業に戻ろうとしていた店長に向かって、大きな声でお礼を言った。
「うん、その調子!
頼むよ~。美未ちゃんの元気は、ウチのセールスポイントなんだからさ」
あたしを見て、ニヤリと笑う店長。
心の中に陰を落としていた雲が、今日一日でどんどん薄くなっていく。
「すいませーん!!ハンバーグ弁当ひとつ下さい!!」
「あ、はーい!!」
後ろから聞こえてきたお客さんの声に、あたしは笑顔で振り向いた。