「あ……」 緊張の面持ちで顔を覗かせたあたしに、そこに立っていた人物が話し出した。 「おはようございます!すみません朝早くに。 これ、回覧板。至急だそうです」 ――なんだ。 「……あ、はい。ありがとうございます」 やって来たのは隣に住む女の人だった。 彼女も会社に行く途中に寄ったのだろう。 白いスーツ姿がビシッと決まっていた。