二度目の試したという言葉。
聞こえは良くないけど、なぜか重みがある気がした。
だって、ママの真剣な瞳がそれを象徴している。
「ねぇ、美未?人は大きな困難を乗り越える程、強い絆が生まれる。
ママはそう思ってる。
確かに急に若い男連れ込んで結婚なんてびっくりしたと思う。
でも、ママは分かってたから。美未が彼を好きになること。
だから1年前みたいに、少しの壁くらいでダメにならないように。
ママの再婚相手っていう大きな壁を作った」
ママはそう言うと、口角を上げて穏やかな笑みを浮かべた。
嘘……。
俄かには信じられなかった。
まさかママがそんなことを考えてたなんて。
そんなことも知らずにあたしは、いちいちマイナスに考えて。
彼を好きになればなるほど胸が苦しくて。
お弁当だって突然作るのやめたし。
面倒くさくなった、なんて嘘ついて、自分の気持ちにフタをしようとした。