受付にいた若い女性社員に事情を話すと「呼び出しますのでお待ち下さい」とのことだった。


その間、ロビーをぐるりと見渡す。


小さいながらも、たくさんの社員が行き来していた。


一年前はママがいないからってすぐに帰るのも癪に障るから、ここでお弁当食べようとしたっけ。


そしたら、確か……。




「みーみっ!!」


そこまでたどった所で、名前を呼ばれて振り向くと、淡いブルーのスーツを来たママが立っていた。


「ちょうどいい所に来たわね」


ニコリと笑うと、エレベーターに向かって歩き始める。


あたしは、受付の女性に一礼すると、慌ててママの後を追った。