8歳上のパパ【長期更新停止中】



隠そうとしていたわけじゃない。

ちゃんと言おうって決心していた。


だけど、思ったより早いママの帰宅に動揺したのも事実。

なかなかタイミングが掴めなかったのも事実――。


どうしよう。

どうすればいい?


沈黙が続くリビングで、さっきから何度も同じ言葉が頭の中を回転する。


ママはきっと、昨日彼に会って何かを察したのだと思う。


中小企業とは言え、会社の社長だから。
いつも自分の部下のことをしっかり見ているから……。


だけど、そこでハッとした。

そんなママだからこそ、気付いていることに最後まで触れようとしないんだって。


それは娘のあたしに対しても同じ。


この沈黙を破ろうとしないのは、待っているから。


あたしが、自分の口で話すのを待ってくれているんだ……。