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「もうっ!!美未ってば、ママがせーっかく驚かそうと早く帰ってきたのに、反応薄すぎー」
ソファーに座ったママが、淹れたてのミルクティーを飲みながら不満気に口を開く。
いつもなら対抗する言葉がすらすら出てくるのに、今日はやっぱり戸惑いを隠せなくて。
「当たり前でしょ、何言ってんの……」
面と向かってママと話すことができずに、あたしはママから離れたリビングの椅子に腰を下ろした。
どうしよ……。
心の準備はできていたはずなのに、いざこういう状況になるとどうしていいのか分からなくなる。
「あれ?そう言えば純一くんはー?どこか出掛けてるの?」
……ドキッ。
いきなり核心をつくような質問に、思わず肩がピクリと反応した。
「さ、さぁ?起きた時にはもういなかったから。
っていうかママ、昨日帰ってたんなら会社寄って会ったでしょ?
今日出かけるとか何も聞いてないの?」
最近会ってないなんて言い辛くて、ちょっとだけ嘘を吐く。
すると、ママの大きな瞳がゆっくりとあたしへと向けられたのが分かった。

