――ゴン!
「わっ!」
耳に入ってきた音と目の前の光景に、思わず大きな声を上げてしまった。
「純一くん!?」
「大丈夫ですかっ?!」
ママと一志も同時に立ち上がる。
みんな揃って、慌てて彼の周りへと駆け寄った。
的中した不安に、血の気が引いていく。
でも――……。
……スースー……
ものすごい音を伴ってテーブルの上に突っ伏した彼から聞こえてきたのは、気持ち良さそうな寝息。
……へっ?
「じゅ、純一……さん?」
たぶんきっと、彼が一緒に住み始めてから初めて呼んだ名前は、気の抜けたような声で。
「んー……」
むにゃむにゃと口を動かしながら、小さな声を上げる彼に、一気に肩の力が抜け落ちたのが分かる。

