8歳上のパパ【長期更新停止中】



それから夕方のピークを迎え、その時ぼんやりと浮かんだ違和感も忘れた頃。


「お疲れさまでした」
「んじゃ、お先ー!」


片付け中の店長に頭を下げて、ワゴンを後にしたあたしたちの前に、突然影が現れた。


「ぎゃっ?!」

思わず可愛くない声を上げてしまったあたし。


だけど、隣りにいた梨花子が驚いたように叫んだ声を聞いて、それが誰なのかを知った。


「一志くんっ!!」

「え?!」


梨花子の視線の先にパッと顔を向けると、そこにいたのは紛れもなく一志だった。


「久しぶり、梨花ちゃん。
つか、美未は驚きすぎだろ」

「……ごめん。まさか一志だとは思わなくて」


自分の驚きようが恥ずかして、視線を下へと落とす。


すると一志は、少し身をかがめて、あたしの顔を覗き込むようにしながら言った。


「……来ちゃ、ダメだった?」