確かに、あたしたちの年頃って年上に憧れる頃なのかもしれない。
実際に、大学生とかサラリーマンと付き合っている子だっている。
だけど、あたしの場合はちょっと違う。
彼はパパなんだもん。
恋愛とか、そんな対象じゃない。
それだけは、断言できる。
さっきのドキドキだって、きっと魔がさしただけなんだから。
ちゃんとした会話が初めてだったから緊張してただけ。
「言っとくけど!!
梨花子が期待してるようなことには絶対にならないからねっ!」
先手必勝。
それを聞いた梨花子は、「つまんないー」と言いながら、プーッと頬を膨らませた。
プーッはこっちだっつーの!!
もうっ!他人事だと思って!!
「でも、やっぱり……」
なおも言う梨花子に、あたしは勢い良く立ち上がる。
「絶ぇぇぇっ対にないっ!」
もちろん周りの人に注目されたのは……
言うまでもない。