8歳上のパパ【長期更新停止中】





「……悪かった。

オレ、なんか今日むしゃくしゃしてて」


しばらくして、ため息を吐きながらそう漏らすと、彼は掴んでいたあたしの腕をそっと放してくれた。


「泣かせるつもりなんてなかったんだ。


ただ、オレ……」



真っ直ぐな視線が、あたしへと向けられる。


あたしは、着ていたセーターの袖で涙を拭くと、ゆっくりと顔を上げた。


重なる視線。

テレビの音も、光もなくなって。


この空間に、彼しか見えなくなる。