――どきん……。 目が合ったとたん、心臓が大きく波打つ。 どこか冷たい瞳……。 それなのに、あたしは、目を逸らすことができなかった。 「……買い物、行ったよ。なんか今日はお祝いだーとか言って」 彼の低い声が響いて、とりあえず今度は無視されなかったことにホッとする。 「……お祝いって? なんの?」 「……さあね」 ぶっきらぼうにそう言うと、彼はポケットから再びタバコを取り出し火を付けた。