ただ……、どこか違う。

一年前とは、何かが違うんだ。


だけど、気付かないフリをする。

あたしは、きっとすごくズルい。



そんなあたしに、一志は、ポケットから取り出した手袋をはめながら微笑む。


「少し歩こっか。久しぶりだし、場所決めるよりも美未とゆっくり話したい」


「うん……そうだね」


あたしたちは、待ち合わせした広場を出て、寒そうな裸の木々が並ぶ真っ直ぐな道を歩き始めた。