8歳上のパパ【長期更新停止中】



一通り終わって、あとは焼き上がりを待つのみとなった時。


オーブンの中で、徐々に膨らむケーキを見て思う。


あたしの気持ちと似てるって。

どんどん、どんどん膨らんだ彼への気持ちと……。




――ふと、脳裏に彼の姿が浮かぶ。


あの時、あたしを置いてママと二人でマンションへ入っていく彼の姿。


ショックだった。


一度好きになってしまったから……。

やっぱりあたしはたちは……本当の意味での家族にはなれない……。

それを、心の底から痛感した。