「さ!行こう。腹も減ったし。ナイスタイミングで帰って来てくれたし」 「そーねー。 美未、何作るの?久しぶりにママも手伝う♪」 そんなふうに笑いながら帰っていく二人の後ろ姿を、あたしはただ見つめていた。 さっきまであたしに触れていた彼の腕は、ママの腰に当てられていて。 その瞳は、一瞬だけあたしの方に向いただけ――……。 あたし、何を期待してたのかな? 予想もしていなかった、急接近の夜……。 あたしは今、出口の見えない迷路の、ど真ん中に立っている――……。